無数の扉とひとつの部屋
みなさん、お酒は好きですか?
僕は、大好きです。
今日は僕がお酒好きになったきっかけの日本酒
"尾瀬の雪どけ おりがらみ 純米大吟醸 生酒"を紹介したいと思います。
見た目は、にごり酒よりも透明感がある白色。
上立ち香は、バナナのような厚みのある果実の香り。
含むと、舌先に感じる微発泡からはじまり、瑞々しく綺麗で複雑な旨味が口いっぱいに広がります。
甘さは十四代よりも強いですが、後味のキレが美しく、日本酒特有の苦味は皆無で、つい盃が進みます。
今は淡々と文章で香りや味わいを表現していますが、はじめて含んだ瞬間にはものすごい感動がありました。『お酒ってこんなに美味しい飲み物だったんだ』って。
時計が止まったように感じて、世界に色がついていく感覚に陥りました。
このお酒に出逢ったとき、僕はその瞬間に世界じゅうのあらゆるお酒を好きになったのかもしれません。
日本酒だけではなく、焼酎、泡盛、ビール、ワイン、ウイスキー、ラム酒、ジン、などなど。
個人的な考えですが、お酒にはたくさんの扉があります。ほんとにたくさんの扉があります。
だけど、中はひとつの部屋です。
日本酒に限らず、あらゆるジャンルのお酒もひとつの部屋にあります。
たとえば日本酒で言うと"獺祭"っていう扉から入っても、"十四代"っていう扉から入っても、"新政"っていう扉から入っても、"鍋島"っていう扉から入っても、"飛露喜"っていう扉から入っても。
それから僕みたいに"尾瀬の雪どけ"っていう扉からはいっても中はおんなじで、そこの部屋には全部があります。
出羽桜も、田酒も、大七も、赤武も、伯楽星も。みんなあります。
その扉に、全てのお酒と出逢うチャンスがあります。
もしもあるひとつの銘柄しか好きじゃないっていう人がいたら、
ただその扉を眺めているだけなのかもしれません。
その、今眺めている扉を開いてちょいっと中に入ってみると
例えば日本酒だと
磯自慢や
天明や
宝剣や
睡龍や
神亀や
繁枡に
剣菱に
松の司
竹鶴も
やっぱりそこに全部あるんですよ。
僕は尾瀬の雪どけのおかげで、そのひとつの部屋に入ることができました。
生きている限り、この部屋から出ることはないでしょう。
このお酒のひと口で、僕の人生は変わりました。
それくらいこのお酒に思い入れがあったので短いですがこうして記事にしてみました。
ここまで読んで下さって、ありがとうございました。
おわり